ある夏の夜、大学生の美咲は、アルバイト先の古書店で閉店作業をしていた。いつものように店を閉め、一人残って整理をしていると、店の外から物音が聞こえた。恐る恐る窓の外を見ると、そこには顔のない男が立っていた。男は真っ白な顔に黒く光る瞳だけを持ち、美咲をじっと見つめていた。
美咲は恐怖に震えながら、店の中に逃げ込んだ。しかし、男は店の中に侵入し、美咲を追いかけてくる。必死に逃げ回る美咲だったが、男に追いつかれ、肩を掴まれた。その時、男は美咲の顔に手を触れ、何かを奪い取ったような感覚がした。
翌日、美咲は鏡を見て絶叫した。自分の顔が、昨日の男の顔と同じ真っ白な顔に変わっていたのだ。美咲はパニックになり、警察に駆け込むが、誰も美咲の話を信じてくれない。
一方、街では顔のない男が目撃される事件が相次ぎ、人々の間には恐怖が蔓延していた。そして、ある日、美咲は新聞で衝撃的な記事を見つける。それは、顔のない男が、人々の顔を取り換えているという内容だった。
美咲は、自分が顔のない男にされたことを確信する。そして、自分の顔を取り戻すため、男を探し始める。しかし、男は姿を現すことなく、美咲は絶望の淵に立たされる。
そんな中、美咲は偶然、顔のない男の正体を知る人物と出会う。その人物は、美咲と同じように顔を変えられてしまった被害者だった。そして、その人物から驚くべき事実を告げられる。
顔のない男は、実は人間ではなく、古代から存在するある種のエネルギー体だった。そのエネルギー体は、人間の負の感情を吸収することで成長し、最終的には世界を支配しようと企んでいた。そして、人々の顔を取り換えるのは、そのエネルギー体にとって、人間の心を支配するための手段だったのだ。
美咲と他の被害者たちは、顔のない男との戦いを決意する。彼らは、それぞれの持つ能力や知識を結集し、巧妙な罠を仕掛ける。そして、ついに顔のない男を追い詰めることに成功する。
激しい戦いの末、顔のない男は倒された。しかし、その直後、街は謎の光に包まれ、すべての被害者の顔が元に戻った。顔のない男は、単なる存在ではなく、人類の心の闇を映し出す鏡だったのかもしれない。