夏の日、私たちは友達と一緒に川遊びを楽しんでいた。
小さな村にある川は、透明度の高い清流で、私たちは水中の小石や魚を追いかけながら楽しんでいた。しかし、その日は前日の大雨の影響で、川の水位が急上昇していた。
私たちは無邪気に遊んでいたが、突然、川の流れが激しくなり、私は足元をすくわれて水圧に苦しむ中、必死に手足を動かし、生き延びようと必死に戦った。しかし、どんなに頑張っても、水の中での私の姿勢は不安定で、息苦しさと共に絶望感が広がっていった。
その時、突如として、私の頭上には巨大な手が現れた。その手は私をしっかりと掴み、水面に引き上げてくれた。私は助かったのだ。しかし、手を引いてくれたのは、まさかの河童のような存在だった。
河童は、頭には水草が生え、緑色の皮膚を持つ生物だ。その姿は恐ろしさとも不思議さとも言えないものだったが、私にとっては生命の糸をつかんでくれた救世主だった。
河童は私を岸辺まで連れて行き、そのまま消えてしまった。私は驚きと感謝の念で胸がいっぱいになり、友達に助けられたことを話すと、彼らも驚きの表情を浮かべた。
それからというもの、私たちは川で遊ぶ際には、河童への感謝の気持ちを忘れずにいる。川遊びの後は必ずお礼の言葉をささやき、河童の存在を心に刻むようになった。
私たちの村では、河童が川の守護神として大切にされている。川遊びの事故が減り、村人たちは河童に対して敬意を払い、川の恵みに感謝するようになった。
あの日の出来事は、私にとって一生忘れられない思い出となった。川の増水で巻き込まれた私が、河童に助けられたことで、命が救われたのだ。
今でも川を見るたびに、あの河童のような存在が私たちを見守っているのだと感じる。