キャンプ仲間ととある登山キャンプ中に、山の中で恐ろしい出来事が起こった。
夜中の闇に包まれた山の中、私たちはテントの中でくつろいでいた。疲れた体を休めるためにキャンプを決めたが、この暗闇の中で眠りにつくのは少々怖かった。しかし、仲間がそばにいる安心感があり、なんとか目を閉じた。
すると、突如として遠くから聞こえる「おーい!おーい!」という呼び声が響き渡った。私たちは驚き、懐中電灯を手に取って周囲を照らし始めた。しかし、闇の向こうには誰もいない。声はどこからともなく聞こえてきているようだった。
怪しさを感じながらも、私たちは声の主を探すためにテントを出た。しかし辺りには誰も居なかった。
不審に思いながらもテントに戻り、仲間と二人で首を傾げた。
しばらく酒を飲みながら談笑していると、また「おーい!おーい!」と声が聞こえてきた。
しかも今度は先ほどより少し近くから聞こえてきた気がする。
今度は二人とも顔を見合せたまま動かない。
更に何度も「おーい!おーい!」と叫びながら声は二人のテントに近づいてくる。
やがてテントの入り口近くでひと言
「おい!!」
と聞こえ、咄嗟に入り口を開けてみたが、そこには暗闇が広がっているだけだった。
そして登山キャンプから数日が経ったある日、私は新聞の記事を見つけた。それは、この山で行方不明になった登山者の話だった。
私は思わず息を飲んだ。あの夜の出来事は、もしかしたらあの登山者の霊なのかもしれないと考えた。
それからというもの、私たちは二度とあの山に戻ることはなかった。あの夜の怖い体験は私たちの心に深く刻まれ、忘れることはできない。
「おーい!おーい!」という声が再び聞こえることはなかったが、私たちはいつまでもあの夜の謎を解き明かせないままだった。