恐怖に満ちた山小屋の夜

 大学山岳部のA、B、Cの3人は、北アルプスの槍ヶ岳登山に挑戦していた。Aはリーダー格で経験豊富な登山者、Bは体力自慢の初心者、Cは慎重で心配性な性格だった。


順調に登頂を目指していた一行だったが、山頂付近で突然激しい雷雨に見舞われる。天候悪化を考慮し、下山を決断するものの、視界が悪くなり、Bが道を外して行方不明になってしまった。


AとCは、Bを捜索しながら下山しようとするが、更に天候が悪化し、視界が完全に失われてしまった。絶体絶命の状況下、Aは近くの山小屋へと避難することを決断する。


山小屋に到着すると、すでに他の登山者が避難しており、Bの捜索隊が出動していることが判明した。しかし、山小屋は、突如の豪雨で屋根の一部が破損し、床には雨水が溜まっていた。停電により照明は限られ、不気味な静寂と暗闇が3人を包み込む。


AはBの無事を祈りながら、Cを励まし、一夜を過ごそうとするが、Cは恐怖で震えが止まらない。深夜、Cは突然、山小屋の奥から物音が聞こえたと訴える。Aは懐中電灯で照らすが、何も見つからない。しかし、Cの恐怖は消えず、Aも徐々に不気味な雰囲気を感じ始める。


翌朝、捜索隊が到着し、Bは無事発見された。しかし、AとCは、昨夜山小屋で聞いた物音の正体について、答えを見つけることができなかった。


下山後も、AとCはあの恐怖の夜を忘れることができなかった。山は美しいだけでなく、恐ろしい一面も持っていることを、身をもって体験したのだ。


そして、山小屋に潜む恐怖の正体については、様々な可能性が考えられる。単なる動物の鳴き声、強風による音、Cの幻覚、あるいは超常現象...。山には不思議な事があるのだろう事を思い知った、恐ろしい夜の物語。

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