太平洋の荒波を悠々と航海する漁船の上で、老船長の顔が青白く光っていた。「昔、俺の爺さんが言ってたんだが、この海にはな、幽霊船が漂ってるって」
若き日の船長は、そんな爺さんの話を馬鹿にしていた。しかし、今、彼はその言葉を信じ始めていた。
それは、ある嵐の夜のことだった。視界は真っ白けで、船は荒波に翻弄されていた。突然、レーダーに奇妙な影が現れた。通常の船舶とは異なる、不規則な動きをするその影は、まるで幽霊のように漂っていた。
嵐が過ぎ去り、視界が開けた時、そこには想像を絶する光景が広がっていた。それは、古びた帆船だった。船体は深い傷跡だらけで、まるで海底で長い間漂流していたかのようだった。
恐怖に震えながら、船長は船に近づいた。船の甲板には、海藻が絡みつき、無数のフジツボが付着していた。そして、船室から聞こえてくるのは、奇妙な機械音が響き渡るだけだった。
船長は、恐る恐る船室に入ると、そこには信じられない光景が広がっていた。船室の壁には、奇妙な文字や図形が描かれており、床には血痕のような赤い染みが広がっていた。そして、船室の中央には、奇妙な装置が置かれていた。それは、まるで古代の機械のような、見たこともないものであった。
船長は、この船がただの幽霊船ではないことを確信した。この船は、何か恐ろしい秘密を隠している。そして、その秘密を解き明かそうとした者は、必ず不幸になると言い伝えられている。
船長は、この恐ろしい体験を他の漁師たちに話した。すると、彼らもまた、似たような体験をしたことがあると語り始めた。
深海の底から、不気味な光が輝いているのを見た。
嵐の夜、海中に引きずり込まれそうになった。
船のコンパスが狂い、方角が分からなくなった。
これらの話は、漁師たちの間で語り継がれ、深海の幽霊船は、海の怪物のように恐れられるようになった。
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