その村は、古くから「祟りがある」と恐れられてきた。かつて、超巨大な台風が村を襲い、同時に異形の者たちが現れ、村を滅ぼしたという。その伝説は、村人が語り継ぐ恐ろしい物語として、人々の心に深く根付いていた。
人気ユーチューバーのケンは、そんな恐ろしい伝説に惹かれ、その村をライブ配信することにした。彼は、最新の機材を携え、村へと足を運んだ。廃墟となった家々、ひび割れた道路、そして、どこかに漂う異様な雰囲気。カメラを向けながら、ケンは興奮と同時に、一抹の不安を感じていた。
ライブ配信が始まると、視聴者は急激に増加していった。コメント欄は、恐怖と好奇心で溢れかえっていた。「絶対何か出る」「こんなところに一人で行くなんて怖い」「早く帰りなさい」
ケンは、村を探索しながら、視聴者と積極的にコミュニケーションを取っていた。廃屋の中を探索したり、村人の墓地を訪れたり、彼は常に視聴者をハラハラさせ、興奮させた。
そして、ついにその時が来た。古びた神社に足を踏み入れたケンは、そこで奇妙な絵画を発見した。絵画には、超巨大な台風の中、異形の者たちが村を襲う様子が描かれていた。その絵画をカメラに収めようとした瞬間、突風が吹き荒れ、神社の明かりが消えた。
真っ暗闇の中、ケンは何かが近づいてくる気配を感じた。背後から、冷気が流れ込んできた。恐怖に震えながら、彼はカメラを背中に向け、ゆっくりと振り返った。
そこには、絵画に描かれていたものと瓜二つな異形の者が立っていた。それは、人間とは言い難い、異様な形をした生物だった。大きな黒い目がギョロリと輝き、鋭い爪が光っていた。
異形の者は、ゆっくりとケンに近づき、彼の顔を見つめた。その瞬間、ケンは意識を失った。
ライブ配信は、そこで途絶えた。視聴者たちは、パニック状態に陥った。警察に通報され、捜索隊が村へと向かったが、ケンと異形の者の姿は見つからなかった。
その後、村では再び奇妙な現象が起こり始めた。夜になると、村から悲鳴のような声が聞こえたり、異様な影が動き回ったりするようになった。人々は、再び、村が呪われているのではないかと恐れた。
ケンが撮影した映像は、インターネット上で拡散され、都市伝説として語り継がれるようになった。そして、その村は、再び「呪われた村」として、人々から恐れられるようになった。
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